NO93 平成21年12月8日 片山由美子 |
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【火の俳句】第8回 比喩(2) |
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矢狭間より火急の声の法師蝉 鷹羽狩行 この句の「火急」のように、火という言葉、あるいは字を用いた比喩や成語は少なくない。それを使っている俳句をみてみたい。 照鷽や木簡に兵十火ほど 神蔵 器 発掘の出土品の木簡に「兵十火」の文字があったというのだが、「兵十火」とは何か。じつは兵の数を記しているのである。中国古代の兵制で「一火」は兵十人を意味した。つまり「兵十火」は百人ということになる。ちなみに「火伴」という語がある。これは「一火」の十人の仲間ということで、「同伴者」の意味もある。 火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり 秋元不死男 飛火してことし洲に咲く曼珠沙華 鷹羽狩行 山中に火を飼ふごとし夏炉焚く 鷹羽狩行 夕蝉の火の声やがて水の声 鷹羽狩行 「火の山」といえば火山のことだが、阿蘇山などはまさに「火の山」と呼ぶにふさわしいのではないか。 火の阿蘇に幻日かかる花野かな 野見山朱鳥 火の山の声はじきあひ夏雲雀 鷹羽狩行 火の山のわが丈を越す草いきれ 鷹羽狩行 ところで、つぎの言葉は何を意味するだろうか。答はあとに。 ①火雲 ②火辰 ③火候 ④火輪 ⑤火相 ⑥火脚 ⑦火入れず ⑧火の内 ①燃えたつような夏の雲 ②蠍座のアルファ星、アンタレスのこと ③火の燃えかげん、修養・努力の程度 ④太陽 ⑤火の元、火の熾り具合(茶道) ⑥火の燃え広がる速さ ⑦新酒 ⑧忌中 |
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(c)yumiko katayama |
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