いしだ |
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第53回 2010/12/07 あ | |||
原 句 冬の夜空はいよいよ澄んで、星々がまるで研ぎ澄まされたように見えます。その中でもオリオン座は目に付きやすく、「三つ星座」とも呼ばれて俳句によくよまれているのではないでしょうか。 オリオンだけでも冬の季語とされていますが、この句は「冬籠り」を季語として詠んでいます。 この句は一読、親しい友人を亡くされたのだな、と想像されて、心を打たれました。死者が星になるという空想に一抹の安らぎを見出して、冬籠もりをする心境なのでしょう。 直感的に句意は受け取れましたが、この句はやや散文的な語り方になっているため印象が淡いように感じました。そのため作者の思いの強さが読者に伝わりにくいのです。俳句独特の韻文性を活かす推敲をしましょう。 一句を散文的にしているのは「預けて」という連用形です。 添削例1 オリオンに友を預けし冬籠り 表記はどうでしょうか。このままでもよいのですが、「冬籠り」という季語の送りがなはなくてもよいでしょうし、預けるはひらがなにしたほうが心情がこもるようにも思いました。 添削例2 |
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(c)kyouko ishida | |||
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