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2007年の夏は、高校生となった筑美は部活動(サッカー部)の練習のため時間が取れず、浪人中で時間のたっぷりとある(?)琴美と3人での、8月14日から18日までの4泊5日の旅でありました。 8月14日(火)、朝、新潟県へ向かって出発。途中、福島県を経由し「檜原湖」に沿って北上、関川村湯沢温泉の定宿「角屋旅館」には陽の高いうちに到着。休憩後、親戚周り。夜、1回目の句会。 15日(水)、昼間は昼食をはさんでのんびりと近くの川で恒例の「鰍捕り」。夜は旅館前広場で行われた「湯沢温泉盆踊大会」に参加。 16日(木)、朝食後、昨日分の句をもとに2回目の句会。休憩後は、「鰍捕り」および豪農の館「渡辺邸」見学。夕方、盆送り。夜3回目の句会。 17日(金)、親戚周りの後、朝のうちに山形へと出発。即身仏で有名な湯殿山麓の「大日坊」を見学。宿泊は月山志津温泉。夜4回目の句会。 18日(土)、途中「山寺」へ立ち寄り、夕刻に自宅到着。 以上旅行中に実施した4回分の句会結果をご報告いたします。 [14日] 中州まつ白残暑の橋を渡りては 秋暑し 峠てつぺん 雲めがけ急カーブして風は秋 見晴らし台の看板朽ちて秋はじめ 新涼のみづうみの色森の色 風なくて湖畔に残る貸ボート 温泉街過ぎて出くはす鬼やんま 由美子(通称:ままい) 三人になりて今年の夏旅行 峠越え初秋の空に吸い込まれ 巨大独楽回るを見上げ秋初め 木のおもちゃかたかた落ちて残暑かな 琴美(通称:ねね) |
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選句はそれぞれの作品から好きなものに印をつけました。結果は次の通りです。 直美選 ◎温泉街過ぎて出くはす鬼やんま 由美子 ○新涼のみづうみの色森の色 由美子 ◎木のおもちゃかたかた落ちて残暑かな 琴美 ○峠越え初秋の空に吸い込まれ 琴美 由美子選 ◎中州まつ白残暑の橋を渡りては 直美 ○秋暑し湖の形に湖光り 直美 ◎木のおもちゃかたかた落ちて残暑かな 琴美 ○峠越え初秋の空に吸い込まれ 琴美 琴美選 ◎秋暑し湖の形に湖光り 直美 ○中州まつ白残暑の橋を渡りては 直美 ◎雲めがけ急カーブして風は秋 由美子 ○新涼のみづうみの色森の色 由美子 |
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[15日] 三度まはつて抜ける湯街の盆踊 盆三日今日の予定は今日立てる やはらかにくねり鰍の焼かれたる 直美 ずん胴の水筒洗ふ終戦日 国道に合流猛暑続く気配 秋めくや瀬音の中の 水鏡初秋の川に横向けて 水鏡の切り取る川底には鰍 由美子 シップ二枚の父の腰見る秋の暮 のっそりの車に秋の陽のっかって 小さな犬は交互にほえて秋の夕 赤い左目かじか方向転換す 琴美 選句はそれぞれの作品から好きなものに印をつけました。結果は次の通りです。 直美選 ◎ずん胴の水筒洗ふ終戦日 由美子 ○秋めくや瀬音の中の父娘撮る 由美子 ○水鏡の切り取る川底には鰍 由美子 ○小さな犬は交互にほえて秋の夕 琴美 ○赤い左目かじか方向転換す 琴美 由美子選 ◎盆三日今日の予定は今日立てる 直美 ○鰍の尾石を叩いて逃走す 直美 ○のっそりの車に秋の陽のっかって 琴美 ○赤い左目かじか方向転換す 琴美 琴美選 ◎鰍の尾石を叩いて逃走す 直美 ◎ずん胴の水筒洗ふ終戦日 由美子 ○秋めくや瀬音の中の父娘撮る 由美子 [16日] 川底の 屋根に石乗せて残暑の大庄屋 味噌蔵の天井低き残暑かな 土間百畳風突ん抜けて盆の村 直美 網に絡まる鰍小振りは逃がしてやる 鰍逃げて小石ふはりと動きけり 秋の川石に触るれば曇りけり 捕はれの鰍四隅に潜みゐる 豪農の屋敷 豪農の味噌蔵高窓より秋光 由美子 かじかの親分足の間にぽっといて 風は秋ちょうちょのように葉は落ちて 糸とんぼ川の光を 鬼やんま胸張り方向転換す はっかの駄菓子いやいや手にするお父さん 初挑戦の糸かぼちゃの味ごまの味 琴美 選句はそれぞれの作品から好きなものに印をつけました。結果は次の通りです。 直美選 ◎豪農の味噌蔵高窓より秋光 由美子 ○秋の川石に触るれば曇りけり 由美子 ◎糸とんぼ川の光を翅に受け 琴美 ○鬼やんま胸張り方向転換す 琴美 由美子選 ◎土間百畳風突ん抜けて盆の村 直美 ○川底の光と鰍を掬ひけり 直美 ○百日紅咲かせ米蔵空つぽに 直美 ◎糸とんぼ川の光を翅に受け 琴美 ○鬼やんま胸張り方向転換す 琴美 琴美選 ◎川底の光と鰍を掬ひけり 直美 ○屋根に石乗せて残暑の大庄屋 直美 ○土間百畳風突ん抜けて盆の村 直美 ◎秋の川石に触るれば曇りけり 由美子 ○豪農の味噌蔵高窓より秋光 由美子 [17日] 稲は穂即身仏の寺 新涼の即身仏が指垂らす ま向かへば秋の即身仏笑まふ 即身仏の眼孔深く秋めけり 即身仏の寺出て秋雨の小降り 直美 ここよりは霊山霧雨肩に受け 稲の道細く即身仏の寺 新涼の即身仏に真向かへり 不動明王剣呑む気迫山の秋 秋雨の音聴く即身仏の寺 風神の鼻反り上がり秋の雨 由美子 黒き蝶秋の豪雨にはばたきて 秋雨の即身仏の寺に立つ 秋の宿鍵にこけしの下がりたる 昼抜きの今日は霧の中を行く 琴美 選句はそれぞれの作品から好きなものに印をつけました。結果は次の通りです。 直美選 ○ここよりは霊山霧雨肩に受け 由美子 ○不動明王剣呑む気迫山の秋 由美子 ○風神の鼻反り上がり秋の雨 由美子 ◎秋の宿鍵にこけしの下がりたる 琴美 ○秋雨の即身仏の寺に立つ 琴美 由美子選 ◎大幣の風ばさと来て涼新た 直美 ○即身仏の眼孔深く秋めけり 直美 ◎秋雨の即身仏の寺に立つ 琴美 ○秋の宿鍵にこけしの下がりたる 琴美 琴美選 ◎即身仏の眼孔深く秋めけり 直美 ○大幣の風ばさと来て涼新た 直美 ◎風神の鼻反り上がり秋の雨 由美子 ○不動明王剣呑む気迫山の秋 由美子 毎回、選句の後にはそれぞれの句について3人で意見交換をしましたが、当時の記録が残っておりませんので、残念ながらその様子をお伝えすることができません。今までの家族句会の様子を参考に、ご想像いただければ幸いです。 次回は何とか4人揃っての句会の様子をお届けしたいと思います。 それではまた。 |
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