「17音の小宇宙―田口麦彦の写真川柳」 第6回 2009/07/31 |
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Photo by (c)Tomo.Yun |
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「この句、私大好きなんですよ。いまトマトは年中あるし、チューリップでもカーネーションでもいつだってあるわけです。 そこで、この句は、私たち歌よみなどには手きびしい痛棒にもなっているんですよね。 昔の大歌人はその季節感を鋭く感じ取って歌を残してきてくれた。ところが、いまの歌人は私も含めての話ですけれども、季節の感受性がすっかり衰えてしまっていると思うんです。ですから、麦彦さんの句は、正岡子規の“歌よみに与ふる書”と同じくらいの警鐘になっているのですよ。」 これは、歌人、来嶋靖生氏(短歌雑誌「槻の木」編集兼発行人)が、雑誌の対談の中で、発言されたものである。 短歌と川柳との違いなどについて話し合ったことで、それもかなり前のお話である。 ただ、「季感の喪失」という危機感についてみれば、現在はさらにきびしい状況になって来ていると思う。 「SAVE THE FUTURE」というキャンペーンが張られているとおり、日増しに地球環境が悪化していることは、みんなひしひしと感じていることだろう。 短歌も俳句も豊かな四季の日本で育った文芸である。川柳は本来無季であるが、そういった日本人の感性の中ではぐくまれた文芸であって、その土台が怪しくなって来ることは見過ごせない。 ここはひとつ同じ七五調文芸にたずさわる歌人、俳人、柳人が手をたずさえて立ち上がるべきではないだろうか。同じテーマでディスカッションしてもいいし、もっと広く地域の人たちと行動を共にしてもよい。 京都議定書の次のステップが求められているいまこそ、そのタイミングだと思う。 「明日のエコでは間に合わない」のである。 |
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(c)Mugihiko Taguchi |
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