《35》 | 2014/04/22 |
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柚子買ひしのみ二人子を連れたれど 波郷 |
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昭和26年作。「ふたり こを」ではなくて「ふたりご」と読む。「一人子」はあっても、「二人子」は辞書にないことば。時々みかけるが、俳句独特のいい方だろうか。 幼い兄妹を連れてぶらりと出かけたものの、駄菓子の一つも買うわけでなく、柚子だけを下げて帰ったのだ。子どもたちにとってはやはり期待はずれだったろう。 子供達は散歩に出た波郷の姿を見つけると、喜んでついてきたようだ。〈子供達の行きつけの三文菓子屋とも顔馴染になつた。然し子供達の期待に順はない時もあつた〉と自句自解にあるとおり。 柚子の香り、瑞々しさがものを言っている作品だろう。 |
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(c)kyouko ishida |
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