NO73 平成21年6月23日 片山由美子 |
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【火の歳時記】第32回 火の花 |
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六月になると目につく花に未央柳(びようやなぎ)がある。美容柳・美女柳・金糸桃などともいう黄色の五弁花で、長い雄蘂がまるで火花のように見える。雨のなかでもひるむことなく咲いている花は昔から目をひいたらしく、「びやうの柳」あるいは「びやうの花」として江戸時代の歳時記にも載っている。「金糸桃」は「桃に似て、蕋長くして、金糸のごとし。ゆゑに金糸桃と名づく」と『年浪草』(天明三)にある。 |
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あ あ | |||
雨脚に未央柳の金濡れず 片山由美子 七月になると凌霄の花や夾竹桃、百日紅など、火を思わせる花がつぎつぎに咲き出す。 凌霄の火をかき立てて通り雨 井沢正江 火の島の夾竹桃の咲く波止場 保坂伸秋 炎天の地上花あり百日紅 高浜虚子 「○○燃ゆ」などいう句がふえる季節でもある。サルビアも松葉牡丹も、鮮やかな色が暑さの中でまさに燃えているかのようだ。 驟雨去り地にサルビアのくすぶれる 片山由美子 |
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(c)yumiko katayama | |||
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