いしだ |
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第8回 2009/03/22 | ||||
原句 椿一輪開くを止めて余寒かな よくわかる内容の句です。 けれど、結局のところ、春になったので開きかかった椿が、この寒さで開くのを止めてしまった、という理屈にすぎません。ことに「開くを止めて」の表現は、擬人法でもあって、擬人法であるということは、すなわち理が入っていますから、機知がより強く感じられます。 見えているものだけを言い止めるように意識してつくってみましょう。 季語も二つあってどちらも春ですが、この場合は「余寒」の方が季語として働いています。 添削例a 椿一輪開き切らざる余寒かな 思い切ってこんないい方も出来ます。 添削例b 一輪の開き切らざる余寒かな 原句 夕月をかかげ俯く水仙花 水仙の花に夕月を配した美しい句です。 水仙は冬の季語ですから、春の景のなら「黄水仙」でしょうか。 水仙の花はことごとく俯いて咲きますから、わざわざ説明しなくてもいいでしょう。 できるだけシンプルに情景を描写しましょう。その情景が実景でなくて、心象であってもいいのです。 添削例 夕月をかかげてゐたる黄水仙 |
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(c)kyouko ishida | ||||
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