「17音の小宇宙―田口麦彦の写真川柳」 第1回 2009/06/26 |
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Photo by kuniko sakamoto |
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イスラム教国の女性は、外出時には目の部分だけを開け頭からすっぽり全身を覆う外衣を着用する。これがブルカである。 女性だけが服装の自由を奪われるのはおかしいとして規制緩和を求める改革派と、いやイスラムの教えに沿って露出は慎むべきだと主張する保守派との意見の対立がイラン大統領選挙の争点となった。 イランの“イスラム処罰法”では「公共の場で着用しない女性には、10日間から2か月間の拘留、または罰金を科す」となっている。 イランに限らず、イスラム教を信仰する国では同じような規制があるようだ。 女性も男性と同じ投票権を持つような現在でも、これほど厳しいのは、全くもって宗教上の理由で、キリスト教、仏教系国の人たちには信じがたいことであろう。 アフガニスタン紛争解決後の戦後処理においても同様であった。 貧困や差別のために、字の読み書きを習う機会を与えられなかった人には、それを習得する施設を作り、教える陣容を整える。 それは国際支援の基本なのであるが、宗教上の長年の慣習もあって識字運動が広がらないことも多いらしい。 この世に生まれた人が、人として生きる権利があると言ってもままにならないことは少なくない。 でも一歩でも二歩でも前に進んでみようとする気持ちと、行動の積み重ねが、相互理解への道を開くに違いない。 そう信じないことには何もはじまらない。 それには、政府対政府という国単位の動きのほかに、小回りの利くNPOの人たちの実践的な活動が欠かせないだろう。私たちにできるのは、勇気ある活動家への応援だけ。 「生還のこの世で出会うバッシング」にはならないようにしたい。 |
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(c)Mugihiko Taguchi |
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